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・自衛隊、違憲か!?
憲法違反か。それとも憲法改正か。 2017/3/28
自衛隊について、憲法を読んで、違和感を覚えた人はいないだろうか?
「自衛隊は、違憲だ!!」
「自衛隊を否定する憲法がおかしい。憲法を改正しよう!!」
さてさて、あなたは憲法を読んで、自衛隊についてどのように判断するか?
憲法前文
前略
政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、
中略
日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。
略
第9条
1. 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2. 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
自衛隊について、憲法の話題で物議をかもすのは、
日本国憲法第9条2項の「戦力」に該当するか、ということ。
自衛隊が、憲法の規定する「戦力」に該当するのなら、憲法違反になり、
そうでないのなら、違反ではないということになります。
自衛隊は、戦車も持っているし、イージス艦などの戦闘艦も保有しています。
自衛隊を素直な目で見れば、まぎれもない軍隊です。
憲法を素直に読めば、自衛隊は明らかに憲法違反です。
でも、自衛隊を軍事力とみなさず、戦力とみなさないように、戦後の日本は、ずるがしこく憲法を解釈してきたのです。
日本政府の見解は、簡単に述べると以下のようなものです。
自衛隊は、自衛のための必要最低限のレベルなので、軍隊のレベルにはないということです。
軍隊=軍事力=憲法の規定する「戦力」には当てはまりませんと。
この言い分が、戦後から現在に至るまでまかり通ってきたのです。
この言い分を通すために、一時期は、「戦車」を「特車」と呼んだりもしています。
また、「陸軍大佐」は、「1等陸佐」、「陸軍少佐」は、「2等陸佐」、と読んだりしています。
「戦車」があれば、自衛隊は、「軍隊」ということになる。
「大佐」や「少佐」がいては、自衛隊は「軍隊」になってしまうという理屈です。
「戦車」を「特車」と呼ぶ名残は現在でもあり、海上自衛隊の船は、「護衛艦」と呼ばれています。
「戦艦」や「駆逐艦」があれば、海上自衛隊は、「軍隊」になってしまうからです。
笑える話ですね。
言葉だけを変えてるなんて。
自衛隊を必要最小限の「実力組織」とみなして、「軍事組織」とみなさないようにしてきたのです。
自衛隊を英訳すると軍隊になってしまう!?
国内では、このようなごまかし方で通用してきました。
ただ、「自衛隊」を英語すると
、
「Japanese Self-Defense Forces」となります。
この「Force」という用語は、「軍隊」と訳されます。
イスラエル軍は、英語でIsrael Defence Foece。
ほら、「Force」は軍隊。
海外からすれば、自衛隊は、明らかに「軍隊」なのです。
日本の裁判所は、自衛隊を憲法違反、つまり違憲かどうかについての判断することから逃げています。
裁判所は、“”統治行為論“なる屁理屈を並べて、自衛隊が合憲なのか違憲なのかについて。最終的な判断をすることから逃げています。
統治行為論とは、「高度な政治性を有する事柄については、司法判断になじまない」という考え方です。
おいおい、裁判所は、法律違反行為について犯罪として「有罪」か「無罪」を判断するのに、
法律より上にある憲法についての「合憲」か「違憲」かについて。判断することから逃げてるなんて、どうなってるんだ。
憲法学者の6割は現在の自衛隊は違憲または違憲の可能性があるとの見解です。
おそらく装備・運用方法で自衛権の範囲を超えているという理由からでしょう。
正確には「自衛隊は違憲でもなければ合憲でもない法律的に宙ぶらりんな状態」です。
憲法を改正するのがよいのか。
ただ、憲法のおかげで、日本が自ら海外に戦争をしかけることができなくなっているのも事実です。
憲法を変えるべきか、それともこのままごまかしていくか。
判断を迫られる時が必ずやってきます。
ちなみに私は、自衛隊に入隊したかった人間です。